あまのじゃくな彼女【完】
「タケさん、誰か知り合いがうちにいるの?」
「何言ってんだめいちゃん、“シュン”って覚えてねえか?昔道場にいただろ。宏太とよくつるんでてよ、めいちゃんも一緒に遊んでたじゃねぇか」
「シュン・・・?」
うーん・・・と首を傾け少し考えていると、うなずきながらぼんやり1つの顔を思い出した。
「シュン・・・ちゃん!剣道強かったシュンちゃん!!」
ぼんやりとしていた顔は徐々に輪郭がはっきりとし、1人の少年をしっかりと思い浮かべることができた。
「そうそう、あいつ剣道強かったなぁ」
「ちっさい頃は俺、シュンに勝てなかったもんな。まぁ後々追い越してやったけどな」
はむはむと肉をほおばる宏兄は得意そうに言ってきた。