あまのじゃくな彼女【完】



「礼っ」


号令とともに試合が終わると同時に、席を立ちあがった。




相手先鋒と大地の試合。結局、大地は負けた。


団体戦としても、大将同士の試合まで持ち込んだけど結局うちの道場の敗退が決まった。


試合には負けちゃったけど、大地は確実に強くなってる、自信持って!

早くそう伝えてあげたくて、居てもたってもいられなくなった。


保護者の間をすり抜け座席後ろの通路に出ると、1階へ続く階段へと急いだ。


試合の入れ替えと同時に人の動きも増し、思うように進めない。焦る気持ちをどうにか抑えつつ、少しずつ人混みをかいくぐっていく。


小柄な子どもたちにバッグがぶつかってしまわないよう、身体を捻るようにしていると避けたバッグがすれ違う男の人にぶつかってしまい荷物をぶちまけてしまった。

慌てて床に散らばった荷物をかき集める。



「すっすみません・・・あ」

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