あまのじゃくな彼女【完】
5* 傷跡
1 :
月曜から飲み会、とは社会人としてなかなか大胆だと思う。
新人の頃には、金曜以外のアフターファイブは全くといって遊ぶ余裕なんてなかった。うっかり飲みすぎて翌朝寝坊、なんて想像するだけで青ざめちゃうくらいだ。
その点、千葉さんはほんと逞しい。
「えぇーもぉそれ運命ってやつじゃないれすか!」
若干呂律の回らない千葉さんは、上下に揺れながらベージュピンクのフレンチネイルでびしっと指を刺してきた。
先輩指差すってどうなの、こら。
「ほーら、だから私が言ったでしょ。芽衣子には係長が合うって」
由梨が私の右隣から、ぐいぐいと肘で小突いてくる。頬がほんのりピンクになりながら、ワイングラスを片手に私を横目でにらんできた。