You are The One.
「え…

みさき、ちゃん?」


「だーかーら、あんたのこと歓迎とかマジありえないし、むしろ反対!」


そこまで言われた時、


私の中にあの感覚が戻ってきた。


咳が止まらなくなった。


いや。

いや。

いや。

いや。


昔の記憶が、私の頭を次々とフラッシュバックする。


やめて!


ちがうの!


昔とは、全然違うから!


お願い!


何回願ってもダメで、


現実と過去がぐちゃぐちゃになった。


発作の咳なのか、


蹴られた衝撃からでる咳なのか…。


そう、私は蹴られた。


お腹とか、見えないとこを。


しばらくすると、


「このこと、誰かに話したりしたら許さないから。


表向きはちゃんと友達。


いーい?」


葉月ちゃんは、私の頭を持ち上げると不敵な笑みを浮かべてたずねてきた。


私はただただ頷いた。
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