５日だけの二人

そのまま中村を離そうと手を緩めた時。 今度は中村が桐山に抱きついてこう言った。
「怒ってないから…、少し驚いたけど、…だからそんな事言わないで。」
顔を真っ赤にした中村は桐山に強く抱きつく。 それを見た桐山は再び中村を抱きしめた。 二人だけの時間、ずいぶんと長い間そうしていた桐山と中村だったが、やがてお互いの顔を見て同時に笑い出した。
「なんだかおかしいね、偶然立ち寄っただけの店だったのに、こんな出会いがあるなんて。」
「そうだな、俺も驚いてるよ、こんなドラマみたいな事ってあるんだな？ってさ。」
二人は再びキスをするとようやくお互いを離した。
「一応言葉にしとくけど、雄子は俺と付き合ってくれるって事でいいのかな？」
ついに桐山は自分の思いをはっきりと言葉にした。
「うん、こちらこそヨロシクね。 私って見た目が子供みたいだけど、それは諦めてね、服とかで頑張ってみるよ。」
中村は自分の体をチラッとみながら苦笑いをした。
「そんな事無いよ。雄子は充分に魅力的さ、可愛いよ。今のままの君が好きだよ。」