5日だけの二人
完全に眠りに落ちていたので一瞬体がビクッとなる。 そのまま慌てながらも電話を手に取り相手を確認する。 それはユカからの着信であった。さっきまで一緒だったのに何だろ? と思ったが、その直後に拾った定期入れの事を思い出した。 もしかしたら大事な物かもしれないな、光一はベッドから体を起こして電話に出る。
「はい、東堂です。」
光一の台詞が終わるか終わらないかのうちに、慌てたようなユカの言葉が被さる。
「定期入れは!? 拾いましたよね?」
彼女の異様なテンションに圧倒された光一は、素直に自分が持っている事をユカに伝える。 すると彼女は電話口で大きく息をついてから言った。
「ああ、本当に良かった。 とても大事な物なの、ありがとう。」
光一は思った、これは演技なんかじゃなく、本当に定期入れが見つかった事に安堵しているのだと。 そんなにこの定期入れが大事なんだろうか? いや、たぶん大事なのは中に入っている写真だろうな。さっき見た写真を思い出しながら光一は、何気無くユカに尋ねる。
「はい、東堂です。」
光一の台詞が終わるか終わらないかのうちに、慌てたようなユカの言葉が被さる。
「定期入れは!? 拾いましたよね?」
彼女の異様なテンションに圧倒された光一は、素直に自分が持っている事をユカに伝える。 すると彼女は電話口で大きく息をついてから言った。
「ああ、本当に良かった。 とても大事な物なの、ありがとう。」
光一は思った、これは演技なんかじゃなく、本当に定期入れが見つかった事に安堵しているのだと。 そんなにこの定期入れが大事なんだろうか? いや、たぶん大事なのは中に入っている写真だろうな。さっき見た写真を思い出しながら光一は、何気無くユカに尋ねる。