5日だけの二人
そしてそれは光一にとって意外な結果として目の当たりにする事で、二人の温度差を具体的に実感する事になる。
直後の事だった、光一の部屋のインターホンのチャイムが鳴り響く。 はて? こんな時間に誰だ? 光一は不信に思ったが、とりあえずユカにしばらく待っててくれと伝えるのだが、
「それは大丈夫です。」
と、ニュアンスの微妙に伝わらない返答が返ってきた。 少し気になった光一だが、とりあえず携帯を持ったまま玄関を開けた。
「はい、どちらさんですか?」
フロアより一段低い玄関のスペースに片足をつけ、右手を伸ばしてドアを開ける。 するとそこには、今まさに電話で話していた人物がいたのだ。
「…ユカさん!」
これにはさすがに驚いた光一だったが、とりあえずユカの目的はわかっていたので先にそれを片付ける事にする。
「…急に来てごめんなさい。 でも…」
不安そうなユカの言葉を光一が止める。
「はいストップ。 大丈夫だから、ちょっと待っててよ。」
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