5日だけの二人
ワカは朦朧とする意識の中で必死に思い出す。
「ええとね、ユカが急に光一の家に行くとか言い出して、それからずっと電話してるからつまんなくて。 そんでね、気がついたら光一がいたの。 わかる?」
部屋に残してきたユカも気になるが、この娘をこのままにして行く訳にもいかないよな。 光一は少し考えたが、とりあえずワカも一緒に連れて行く事にした。
「とりあえず部屋に来なよ、ユカさんも疲れたみたいでね部屋で休んでるんだ。」
光一は車から出ると後部座席のドアを開けてワカを見る。
「連れてって。」
「はっ?」
ワカは光一の腕をつかみ、上目遣いで見上げる。 光一は彼女の表情にドキッとしながらも、一応大人の対応をする。
「あのね、大人なんだから自分で歩きなさい。 ミカだってそこまで甘えたりしないよ。」
光一の言葉に首を傾げるワカだったが、再び光一の顔をジッと見つめてくる。 どうやら光一にとって、彼女の表情…、いや、彼女達の表情はツボにはまったように好きみたいだ。
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