５日だけの二人

ユカは思った、正面からぶつかっても彼は揺らぐ事は無いだろう。だったら自分も腹をくくるしか無いだろうと。
「わかりました。 あなたがそこまでミカの事を真剣に思っていてくれていた事は本当に嬉しい限りです。 きっとあの娘もあなたに出会えて幸せだった事でしょう。 だとしたらもう、私はあなたを止めません。 止めませんが、せめて私の話だけは聞いてからにして下さい。 それを聞いてもまだ考えが変わらないのであれば、今度こそあなたの思うようにして下さい。」
ユカの表情は至って真剣そのものだった。 その様子に違和感を覚えた光一は、気を使わないようにと促したのだが、
「いえ違います。 確かにこんな事でミカとあなたが終わってしまう事は阻止したいと思っています。 しかし、それ以上に伝えなければならない事があります。 本当なら絶対に言うつもりは無かったのだけれど、どうやらあなたには真実を知る資格があるみたいです。 どうぞ真実を知っても尚、あの娘にとっての優しいあなたでいて下さい。」