５日だけの二人
光一とユカはお互いに真剣な表情で向かい合っていたが、やがてユカは僅かに表情を曇らせながら光一に定期入れを渡す。
「ええ、もちろん気がついていましたよ。 だからこそお話するのです、半端な覚悟の人には言いません。 あなただから話すんです。」
定期入れを受け取った光一はユカを見る。
「もう一度、中の写真を見て下さい。」
言われた通りに開いて中を見る。 そこには何の秘密も感じられない普通の写真があるだけだ、仲の良さそうな四人の女の子が楽しそうに写っている。
「…？ 」
光一は軽く首を傾げながらユカを見る。
「先程私が言った事を覚えていますか？ その写真はそれが最後なのです。」
「ああ、確かネガもデータも無いんだったよね？」
「そうです。 けど、最近はいろいろ便利になりました。 写真の複製は昔と違ってネガやデータが無くても、写真そのものをコピーして複製する事ができるそうなんです。だから私もそれを持って写真屋に行ったんです。」
ユカは自分のカバンからデジカメを取り出すと光一に渡す。
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表紙・目次

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