5日だけの二人
「写真の複製はベースとなる写真をコピーの要領で撮影するそうです。 光一さん、そのカメラで写真を撮影してみて下さい。」
「…? カメラでですか?」
一体何がしたいのだろうか? 光一はユカの意図がまったく理解できなかったが、話の腰を折れるような雰囲気でもなかったのでとりあえず撮影して見る事にした。左手で写真を持ちそれをカメラで撮る、ピピッという電子音と共にフラッシュが光る。そしてカメラのモニター画面には撮ったばかりの写真が表示されていた。 そのままデータを保存しようとした光一だったが、その画像を見た途端全身に寒気のような物を感じた。 しかし、その現象が意味する所は全く理解できなかった。
「これって、一体どうゆう事ですか? 何かのトリック? 」
すっかり動揺した光一の言葉は、若干きつくなっていた。 ユカはどうにも話しづらそうに光一を見る。 すると、状況を見かねたワカが口を開く。
「トリックじゃ…ないよ。 何回試しても結果は同じになるんだ。 つまりもう…」
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