5日だけの二人
そう答えるワカからは、どこか落ち着いた女の印象を受けた。
「それに、光一だって服のままベッド使われたくないでしょ?」
光一の背後でバタバタと服を着ているユカの口調は、何故だか光一を安心させた。
「なんかさ、やっと普通に話してくれてるよね?」
「えっ? どうゆう事?」
ようやく着替えの終わったワカは光一の後ろから抱きついてきた。
「こら、そうゆう悪ふざけをまだやるのか? 昨日はあんなに泣いてたのに。」
いつもならワカの腕を引っ剥がす光一だが、昨日の一件もあるしすぐに離れてくれると思い抵抗はしなかった。 しかし、
「うん、昨日の事は本当に反省してる。 だから決めたの、やりすぎなければ大丈夫って。 例えば、仲の良い兄弟ならこれくらい普通じゃない?って思える程度までにする事にしたの。」
そう来たか。 これは反論できないな。 光一はワカの表情を見ていると、なんだか癒される自分に気がついたが、同時にワカにミカの面影を見ていると理解した。そりゃそうだ、姉妹だもの似ていて当然だ。
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