5日だけの二人
そして光一達の話しは延々昼まで続いた。すっかり日も高くなった頃、二人はいつもの雰囲気に戻っており、昼食を近くのファミレスで済ますとそのまま帰って行った。

【翌日、光一の会社にて】

昼休み、光一は弁当を素早く胃に放り込むと、片山を探すべく急いで食堂に向かった。 できれば朝一番に捕まえて話をしたかったのだが、光一の仕事が忙し過ぎて伸び伸びになってしまったのだ。 食堂の片隅に片山はいた、幸い一人で食べている。光一は彼に近づき席に座る。
「よお東堂、食堂に来るなんて珍しいな。」
こっちに気がついた片山が光一を見る。
「お前に用があってな。ちょっと聞きたいんだけど、1ヶ月以上前に駅で俺を見かけたって言ってたよな?覚えてるか?」
光一の質問に不思議そうな顔をする片山、しばらく考えると、
「ああ、お前がサボった日の事か? 覚えてるよ、駅のホームでアイス食ってたよな?」
なんでそんな事聞くんだ? 片山がそんな表情をするが、光一は構わずに続ける。
「それだけか? もっと他に何か見てないか?」
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