5日だけの二人
この時、驚いていたのはミカだけでは無かった。
「あれ? すまん、つい…」
慌ててミカから離れた光一は、なんとも気まずそうな表情を浮かべる。その表情を見たミカは、何故か顔を赤らめるのだった。
そして、ようやくミカはカウンター席に座る人物に気がついた。
「あれ? 雄ちゃん? 久しぶり、偶然だね?」
ミカの言葉にドキッとする光一だったが、それと同時に違和感を覚えるのだった。以前ミカは、自分はナカムラさんを見た事が無いと言っていた、無論先日まではミカの悪ふざけだと思っていた訳だから、仮にこんな場面に遭遇しても驚いたりはしなかっただろう。しかし今は状況が違う。ミカの真実を知った今なら、【ナカムラさん幽霊説】も納得できる話だ。だとしたら二人が知り合いなのはおかしいんじゃないのか? いや待て、あの写真で二人は肩を組んでいたよな? 生前か? いったいどうなってる?
光一が軽くパニックを起こすのだが、二人の少女は気づくハズもない。
「ミカ? 本当に久しぶりだね。てか、この人ってミカのお兄さんなの? 男の兄弟なんていたっけ?」
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