５日だけの二人

「泊めた…？ ああ、そうだな、確かに土曜日は二人を泊めた。あれっ？ ひょっとして隠し事ってそれ？」
危なかった。危うく勘違いで秘密をバラすところだった。安堵感から光一は深く息をはく。ドッと疲れが押し寄せて来るのを感じた。
「ひょっとしてって？ どうゆう意味？ まだ何か隠してるの？」
光一の安堵とは裏腹に、ミカの怒りはさらにヒートアップしていた。それもそうだろう、ミカにして見れば自分の怒りを袖にされた様なものなのだから。
「いや、無いよ。無い無い、何も無いよ。どんな話か予想出来てなかったから驚いただけなんだ。それに土曜日の件に関しては、一切やましい事は無いよ、だからこそ今の話と結びつかなかったんだからな。」
するとミカは油断したのか一瞬だけ表情が緩んだ、しかしすぐに険しい顔つきになり、
「なら、土曜日は何があったの？ 仲良しで泊まった訳じゃないよね？」
やっぱりそう来るか。光一は内心の同様を悟られないように注意しながら慎重に理由を説明した。