5日だけの二人
ちょっとだけ後輩をからかうつもりだった光一だが、逆に本気の説教が始まった事に驚き、慌ててそれを止める。
「ああ、待て待て。そんなんじゃ無いよ、この娘はだな…えっと…」
誤解を解こうとした光一だったが、ミカの事を何て説明したものかと考えてしまい、一瞬口ごもったその時、
「妹です。」
高らかにブイサインをしたミカが、満面の笑みで光一に抱きついていた。 思わず天を仰ぐ光一、
「お前なぁ…」
めまいがしそうな間隔に捕らわれながらも、光一はとりあえず説明を心みる。
「いや、違うんだよ。 妹って言っても、そうじゃないと言うか、つまり、普通の妹じゃなくてだな…」
「そうです、ラブラブの妹なんです。」
うまく説明できない光一に対し、助け舟のつもりでミカが台詞をかぶせた。 すると店員は、何かを理解したかのような表情になって。
「なるほど、よくわかりました。 先輩に妹さんがいた事が前提で、さらにロリコンなんですね? では改めて。 いいですか? 青少年保護条例と言うのがありまして…」
その後、彼の誤解を解くのに一時間を要した。
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