5日だけの二人
食事を済まし、無事に後輩の誤解も解いた光一は、食後のコーヒーを飲みながら言った。
「ミカ、一応紹介しておくよ。 こいつは後輩の桐山雄一(きりやまゆういち)。 」
仕事を終え、一緒にテーブルにてコーヒーを飲んでいる桐山をミカに紹介する。
「今更の紹介ですか? 普通なら店に来たタイミングでしませんか?」
桐山は、実にもっともらしい事を冷静に言った。
「では気を取り直して。 どうもはじめましてミカさん。 私は高校で東堂先輩の後輩だった桐山です。どうぞ以後よろしくお願いします。」
桐山の態度は、営業スタイルと言うよりは、それがもともとの自然な姿のようだ。 その礼儀正しい雰囲気に、ミカも自然に立ち上がり答えた。
「こちらこそはじめまして。 海路美佳です。 パスタとてもおいしかったです。」
二人は何故が真顔で握手をして、
「先輩がロリコンですいません。 でも、式には呼んで下さいね。」
どうやら桐山の脳内では、ずいぶんと話が飛躍しているらしい。
「死期? あっ!四季ね。 えっ?四季? よくわからないけどわかりました。」
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