5日だけの二人
冷たい手の感触に驚く光一、
「おおっ! びっくりした、今度はどうした?」
するとミカは、光一の服を戻してからこう言った。
「あのさ、映画は今度にしていいかな? 私行きたい所があるんだけど。」
突然の行き先変更に疑問を感じる光一だが、
「まあ、別に構わないけど。 どこに行きたいんだ?」
もともと映画はミカが来たがったから来たのであって、光一はどこでも構わなかったのだ。
「行き先はこのままでいいよ。 確か映画館以外にもいろいろ店があったよね?」
ミカの言う通り、これから行ことしているのは、映画館も含めた総合施設だ、そこには様々な店舗が入っている。
「なあ、行き先は別にいいんだけど、何でさっき服をめくったんだ?」
光一とミカを乗せた車が、ようやく目的地に着いた頃、光一はなんとなくミカに聞いてみた。
「すぐにわかるよ、とりあえず行こっ。」
光一の腕にしがみついたミカは、そのまま店の中へと入っていく。
「ここでいいや。 とりあえず入ろう。」
そう言ってミカが立ち止まったのは、どこにでもあるようなカジュアル服の量販店だ。
「ああ、なんとなく理解できた。」
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