5日だけの二人
食事を終えてからも、ショッピングモールをふらふらしながら、ひたすらに会話を弾ませていた。 それは第三者から見たら、仲の良い兄弟に見えるのかもしれない。 しかし、この時の二人は互いに、自分達の中に目覚めた新しい気持ちに気が付きはじめていたのだ。もっと一緒にいたい、そんな考えとは裏腹に時間は刻々と過ぎて行き、既に時刻は11時を過ぎていた。
「結構遊んだな。遅くなっちまったけど家のほうは大丈夫か?」
思っていた以上に時間が過ぎてしまっている事に驚いた光一は、慌ててミカに聞いた。
「家? ああ、全然平気だよ。今日は家に誰もいないんだ。 私の両親は大学病院で研究員やってるからさ、研究所に詰めっぱなしで仕事する事が多いの。 ただでさえ私の事故とかリハビリなんかで休んでたからね、反動で忙しいんだ。」
なんとなく寂しい話だが、ミカを見ていると思うのは、忙しいながらもミカは両親から愛されて育ったんだという事だ。
「そうか、でも今日はここまでにしよう。 これ以上女の子を連れ回す訳にはいかないからな。」
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