５日だけの二人

光一の言葉にミカは頷く。そして車に乗り込むとミカの自宅に向かった。 走ること三十分、ミカの案内で住宅街の一画に辿り着く。
「そこで停めて、そこの白い門のとこ。」
ミカが指差した場所に車を停めた光一だが、予想外の光景に驚いて目が離せなかった。
「えっ？ ここなの？ てか、これって家なの？」
光一が見たそれは、ひたすらに続いている壁と、とにかく大きい門だった。そして門のずっと奥、まるでヨーロッパの貴族でも住んでいるかのような大きい屋敷が遠くに見えた。
「お兄ちゃん驚き過ぎだよ。ちょっと待ってね、今開けるから。」
するとミカは、カバンの中から腕時計らしき物を取り出し、そのボタンを押した。 すると“ピッ”という電子音と共に門がゆっくりと開いていった。
「このまま中まで入って、玄関の前に停めてくれるかな？」
光一は“ああ”と生返事をしながらも、安全運転で車を敷地内に入れる。
「お兄ちゃんて明日は仕事？ もし休みだったら寄っていってよ。 お茶くらい出すからさ。」