5日だけの二人
「とは言っても、ミカの両親の家だろ? 怒られたりしないか?」
仮にも中学生の女の子が連れてくる友達だからな。こんな年上ってだけで微妙なんだ、せめて礼儀くらいはしっかりしないと。 光一は自分でも驚くほどに先の事まで考えていた。
「ううん。違うよ、ここは私の家。 私が所有している、正真正銘私の家だよ。 去年お爺ちゃんから正式に譲ってもらったの。だから本当に遠慮しないでいいんだよ。」
ミカの所有? 光一はミカの言っている意味がわからずに首を傾げた。 もしかしてアレか? 金持ちの家の子は、車とか買ってもらったりする様なのと同じノリだろうか? スケールのでかいプレゼントかな? だとしたら随分と孫を甘やかしてるな。既に光一は、驚きを通り過ぎ頭が真っ白になっていた。
「とりあえず入ってよ。」
ミカは光一の手を引いて、屋敷の中に迎え入れた。
「ただいま。 友達連れて来たから紅茶お願いね。」
玄関に入るとすぐ、ミカはそこにいたスーツ姿の老人に声をかける。
「おかえりなさいませ、紅茶ですね? すぐにお持ち致します。」
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