5日だけの二人
やけに品のあるスーツ、高そうなネクタイ、落ち着いた雰囲気、執事だなたぶん。 光一がこの老人の事を凝視していると。
「はじめまして、私はここで執事をやらせて頂いている北見と申す者です。本日は我が主を送って頂き、誠にありがとうございます。 たいしたおもてなしはできませんが、どうぞごゆっくりとおくつろぎ下さい。」
「あ、えっと、はい、ありがとうございます。」
完全に気圧された光一がしどろもどろに返事した。
「んじゃ北見さんお願いね。 私達は部屋にいるから。」
ミカは光一を引っ張って階段を上がって行った。
「ちょっと散らかってるけど気にしないでね。」
シンプルな造りながらも、やはり高級感漂う部屋のドアをミカが開ける。 きっとピンク色を基調とした部屋のインテリアと、屋根付きで、カーテン付きのベッド、さらには床一面のぬいぐるみなんかがあるのだろうと考えいた光一の目に、予想外の光景が移しだされた。
「ここがミカの部屋なのか? なんか意外な感じだな。」
部屋は確かに広い。
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