5日だけの二人
光一の返答に対し、しばらくは黙っていた北見だったが、
「…そうですか、 行った事があるんですか。 だとしたら一体何故?…」
「…?」
何かを言いかけた北見だったが、考え込むように下を向いてしまった。 それを不思議に思った光一は、
「あの、北見さん? 僕の推測ですが、もしかして僕とミカの関係の事を…」
そう言いかけた光一を北見が制する。
「あ、いえ、それは違います。あなたが何者かはわからない、ですが悪い人ではない。 目を見ればわかります、あなたはミカお嬢様を裏切るような人ではないとね。私の心配事はそうじゃないんですよ、この場合、むしろ心配なのはあなたのほうです。」
光一は首を傾げて北見を見る。
「俺が心配? それは一体どうゆう意味ですか?」
北見は光一の問いには答えずに、窓際を指差した。
「あの娘、だれたかわかりますか?」
光一は北見の指す側を見る。 するとそこには小柄な女の子が、メイド服を着て立っていた。 いったいいつからそこにいたのだろうか?
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