5日だけの二人
長い廊下を歩きながら光一はある事に気がついた。 はたしてミカは、姉に対して俺の事を何て言って紹介するつもりなんだろうか? あの状況を見られたからには“友達”は難しいよな? だとしたら“彼氏”か? それもなんだか唐突だよな? まさか“お兄ちゃん”ではあるまいな? それはかなり説明しにくいぞ。 結局、何一つ考えがまとまらない内に部屋の前まで戻って来てしまった。 まっ、なるようにしかならないか。 光一は開き直ってドアを開ける、すると中にはミカと先ほどの女の子の他に、もう一人若い女の子がいた。 直感的にもう一人の姉だと気がついた光一が挨拶をする。
「どもっ、はじめまして、東堂光一と言います。」
すると、まず最初に風呂場に来た娘が口を開く。
「先程はすいませんでした、私は由加(ユカ)と言います、姉妹の中では一番上になります。」
ユカは少しだけ顔を赤くしながら光一を見ていた。
「ああ…、えっと、さっきのはこちらも悪かったと言うか、何と言うか…。」
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