5日だけの二人
「なんですかこれ? ミントって?」
光一が名刺の裏を見ると、簡易な地図と住所がプリントされており、さらに手書きで携帯番号が書かれていた。
「ワカ姉の店だよそれ。ミントってのはワカ姉のお店での名前ね。」
ミカの説明を聞いた光一は、なんとなく状況を理解する。 おそらくそれは、ミカと同じなんだろうな? きっとそのお店も実力で手に入れたに違いない。
「わかったよ、ちゃんとワカさんのお店に行くから。 でも、あんまり酒は飲めないから、そこのところはよろしくね。」
光一はとりあえず財布に名刺をしまう。するとワカはすかさず光一の腕にしがみつき、
「ミント。」
「えっ?」
「ワカって呼ばないで、あまり好きな名前じゃないから。ミントって呼んで欲しいな。」
光一は、ミカがわずかに目を細めたのを見逃さなかった。
「わかったから、うん、ミントって呼ぶよ。」
と言って手を軽く振りほどいた。 横目でミカに“すまん”と合図する。するとミカは、目を細めながらも軽く頷いた。
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