5日だけの二人
「わかった、諦めるよわよ。」
そう言いながらも光一から離れないミントの襟元を、ユカが後ろから引っ張る。
「あんまり東堂さんを困らせないの。さっ、お風呂に行きましょう。」
ユカはミントを諭すような口調ながらも、グイグイとミントを連れて行くのだった。
「は~い。んじゃまた後でね! バイバーイ。」
ミントは光一とミカに手を振りながら部屋を出た、いや、正確には部屋から連れ出された訳だが。
「はぁ…、相変わらず疲れる姉だわ。バタバタしてごめんねお兄ちゃん。」
ミカはベットに腰掛けてため息をつく、
「いいんじゃないか? 一緒に住んでる訳じゃ無いんだろ? たまには騒がしいのもいいもんだ。」
まだ皆若いのに別々に住んでるらしい事に違和感を感じる光一。
「ユカ姉はそうだけど、ミントちゃんはほとんど毎日来るよ、基本的には暇人だからね。別に仲が悪い訳じゃないからいいんだけど、とにかく勢いがあり過ぎて疲れるよ。」
光一は、発言とは裏腹に楽しそうなミカの表情をジッと見ていた。
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