５日だけの二人

この時になってようやく落ち着いたのか、光一の中で一つの疑問が生まれた。
「あっ！ そうだ。昨日言ってたナカムラさんの話、あれってやっぱり嘘だったんだな？ さっきミントがナカムラさんと話したような事を言ってたもんな。俺としたことが、本当に幽霊なのかと信じかけたよ。」
実は昨晩からずっと気になっていた光一は、ようやくと安堵の表情になる。しかし、
「そりゃ話せるよ。ミントちゃんは霊感強いから。ちなみに北見さんもね。 見たこと無いのは私とユカ姉だけだよ。」
霊感ってか？ ここはさすがに光一も食い下がる。
「待て待て、俺には霊感なんて無いぞ！ そんな経験した事も無いしな。」
ナカムラさんの事を幽霊だと言い張るミカを、なんとかして言い負かしてやろうと必死になる光一だったが、
「そうだね。まあ、仕方ないか。 いきなり幽霊ですなんて言っても信じられないよね？ とりあえず今はそれでいいや、そのうち納得してくれるはずだから。」
と、急に折れてしまった。