5日だけの二人
感動のあまり思わず声が出た光一。そこに止まっていた車は、これでもかって言う程に改造されたスポーツカーだった。それは光一の所持している車とはライバル車種にあたり、実を言うと、光一が車を購入する際に選択肢の中にあった一台でもある。 光一はその車をマジマジと見ながら考える、消去法で考えるとユカの車だと思うんだけど、でも何かイメージと違うような気がするんだよな? でももしあの娘の車なら、後で頼んでみようかな? 是非乗ってみたいもんだ。 とうとう座り込んで車を眺める光一、すると背後から突然声がする。
「おはようございます。こんなところで何かありましたか?」
完全に自分の世界に浸っていた光一は、驚いて振り返った。
「北見さんか、ああ驚いた。 別にたいした事はありませんよ、この車が格好良かったもんだからつい眺めてしまいまして。」
光一は立ち上がり、改めて車を見る。
「ここに止まっていると言う事は、お二人には会われたようですね? これはユカお嬢様のお車でして、正直なところ私としましてはどうにも不安なのですが。」
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