5日だけの二人
「そうか? ああ…、そうだな。とりあえず免許取れてからにしたほうが良いな。」
光一はそう言ってミカの頭をなでる。
「そうする。だからお兄ちゃん、変わりに私を色々な所に連れて行ってね。」
それを聞いた光一は、黙って頷くとミカの手をつかみ、
「さて、とりあえず出掛けようか?」
と、ミカを連れ出すべく同意を求めて全員を見た。
「うん、そうしようかな。」
なんとか機嫌をなおしてくれたミカが笑顔で答える。
「行ってらっしゃい。」
ユカは笑顔で手を振る。
「仕方ないな、お爺様の事さえ無かったら私も行きたいのに。」
と、ミントも渋々ながら手を降っていた。 光一とミカも手を振りながら部屋を出る。
「お兄ちゃん、私一度部屋に戻るよ。バッグ取ってくる。」
ミカはそう言うと小走りに階段を上って行く。
「わかった、先に車で待ってるから。」
するとミカは元気に振り向いて頷いた。 その姿を見送った光一は、一人玄関に向かって歩き出した。 この時、二人の事をジッと見つめていた人物がいるのだが、光一とミカは全く気がつかなかった。
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