５日だけの二人

やはりそうか、光一はなんとも言えない罪悪感に襲われた。 別に光一が引き起こした事故ではないし、森の息子が亡くなってミカが助かったのだって偶然の結果に過ぎない。 それはわかっているのだが、光一は森の事を真っ直ぐに見れなくなっていた。
「東堂君、あの事故からもう半年以上が過ぎたんだ、そんなに気を使わないでくれ。 私はもう大丈夫だから。」
森は光一の肩を軽く叩いて光一を見る。
「…はい。 わかりました、変な事を聞いてすいません。」
森の言葉に多少なり救われた光一もゆっくりと森を見る。
「それにしても君が海路家と繋がりがあったとはな、驚いたよ。 ああ、ちなみに八神も知ってるぞ、私の息子の名字が八神だ。」
ん？息子の名字とは…どうゆう意味だろうか？ 光一が一瞬首を傾げると。
「あの事故の後すぐ妻と離婚したんだ。 戸籍的には妻が息子を引き取った事になっているから、一応息子の名字は妻の旧姓にあたる“八神”になるんだよ。」
と、淡々と説明する。
「なるほど、そうゆう事でしたか。」