5日だけの二人
知り合いなら桐山自身が判断し、だいたいの雰囲気で決める、紹介された客なら紹介した人が以前食べたメニューと同じ物を出している。 メニューを出さなければお薦めも聞かれない、そもそも客が何かを注文する事がほとんど無いのだ。 だからこそ、桐山ななんとも新鮮な気持ちになれて嬉しかったのだ。
「お薦めですか? はい、もちろんございます。 先日私が仕入れてきたイタリア直送のパスタがありますので、それを昨日からじっくり煮込んだスープと合わせた特製のスープパスタなどはいかがでしょうか?」
これは桐山の自信作だ、偶然立ち寄った食材の卸売業者で見つけたパスタはかなりのお気に入りだ。 しかし、客の反応は意外な方向に進む。
「ナスとトマトは?」
「…え? ナスとトマト…、ですか? えぇと、あいにく当店ではナスとトマトのパスタは扱っていないんです。パスタ意外ならナスの酢味噌和えや、トマトサラダを用意できますが、いかがでしょうか?」
すると、客はしばらく何かを考えた様子で桐山を見ていたが、やがて桐山を指差しこう言った。
「お薦めですか? はい、もちろんございます。 先日私が仕入れてきたイタリア直送のパスタがありますので、それを昨日からじっくり煮込んだスープと合わせた特製のスープパスタなどはいかがでしょうか?」
これは桐山の自信作だ、偶然立ち寄った食材の卸売業者で見つけたパスタはかなりのお気に入りだ。 しかし、客の反応は意外な方向に進む。
「ナスとトマトは?」
「…え? ナスとトマト…、ですか? えぇと、あいにく当店ではナスとトマトのパスタは扱っていないんです。パスタ意外ならナスの酢味噌和えや、トマトサラダを用意できますが、いかがでしょうか?」
すると、客はしばらく何かを考えた様子で桐山を見ていたが、やがて桐山を指差しこう言った。