5日だけの二人
「けど美味しそうなにおいがするよ。あなた自信ににおいがついているのは、確かにトマトとナスを使ったパスタのにおいだよね?」
この言葉にさすがの桐山も驚いた。ナスとトマトのにおい、それは確かに桐山自身にも思い当たるものがある。 実は新しいメニューとしてナスとトマトを使用したパスタを開発中であり、今日は朝からずっと試作品を作り続けていたのだ。 おそらくそのにおいが服に残っていたのだろう。
「素晴らしい嗅覚をお持ちのようですね、正直驚きました。 実は新メニューとして開発中なのです。 今日はずっと厨房にこもっていたのでにおいが染み付いてしまったのでしょう。 しかしながらお客様、あれはまだ完成品ではありません。 従って、それをお出しする訳にはいかないのです。 申し訳ありませんが、他のメニューを選んで頂けますか?」
料金を取る側として、桐山の対応は正しいのだろう。 しかし、客は首を傾げたままジッと桐山を見つめ続けていた。 約一分ほど見つめあっていた二人だったが、やがて桐山が根負けして切り出した。
この言葉にさすがの桐山も驚いた。ナスとトマトのにおい、それは確かに桐山自身にも思い当たるものがある。 実は新しいメニューとしてナスとトマトを使用したパスタを開発中であり、今日は朝からずっと試作品を作り続けていたのだ。 おそらくそのにおいが服に残っていたのだろう。
「素晴らしい嗅覚をお持ちのようですね、正直驚きました。 実は新メニューとして開発中なのです。 今日はずっと厨房にこもっていたのでにおいが染み付いてしまったのでしょう。 しかしながらお客様、あれはまだ完成品ではありません。 従って、それをお出しする訳にはいかないのです。 申し訳ありませんが、他のメニューを選んで頂けますか?」
料金を取る側として、桐山の対応は正しいのだろう。 しかし、客は首を傾げたままジッと桐山を見つめ続けていた。 約一分ほど見つめあっていた二人だったが、やがて桐山が根負けして切り出した。