5日だけの二人
なんとなく打ち解けた二人は再び見つめあって笑った。
「それじゃ友人らしく話すよ、俺は桐山雄一、一応ここの店主をやってる。 君は?」
桐山は客をカウンター席に移動させ、世間話をしながら料理を始めた。
「桐山雄一 格好良い名前だね。 私は雄子だよ、中村雄子(なかむらゆうこ)。 」
そう言って、中村と名乗る客は免許証を桐山に見せた。
「あれ? 意外だな、俺と同い年なんだ? ちなみに雄子の雄は俺と同じ漢字だね。」
桐山はホールの壁に掛けてある営業の許可証を指差した。 そこには店の代表である桐山の名前が書かれている。
「本当だ。」
「自己紹介の時、この漢字って説明しにくいんだよね? その割には使用率は高いけど。」
桐山はグラスに冷たい烏龍茶を注ぐと中村に渡した。
「ありがとう。 この店って烏龍茶もあるんだね?」
よっぽど喉が渇いていたのだろうか? 中村はそれを一気に飲み干すとグラスをテーブルに置いた。
「なんでも扱ってるよ、酒でもジュースでも飲みたかったら言ってね。」
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