抱きしめてくれる？
「あっ！ごめん！」



ボーッとして歩いていると
健君の足をふんでしまった。




「いってぇな
もうちょっと優しく出来ないのかよ
あっ体重いからしかたがないな」



小声で私に向かって言って来た。


一応女だから体重は気にしていた。
その時に言われると一気にムカついた。
でも足ふんだのは
悪いからなんも言えない。



ゆいとの近くに座って
川の水を触っていた。



「真子！真子も釣りやるか？」



釣りやった事ないからやりたかった。
そのために川に来たとも言える。



「うん！…」
「大丈夫だってさ
釣りやりたくないって」



私がうんって言った瞬間に
健君が割り込み
私がやりたかった釣りを断られた。



「そっか！今魚いっぱいいるぞ！」


ゆいとはうんと言ったのに
気づかず釣りを進める。

我慢が出来なくて
思いっきり健君をにらんだ。



「なんだよその目」

「……もういい…ゆいと！」

「どうした？」

「私帰る」

「なんで？」

「え…日焼け止め塗るの忘れた！」

「じゃ塗ったらまた来いよ」

「本当はそうじゃないだろ？
俺が嫌なんだよな？
俺がうざいから帰るんだろ？」

「…ぅるさい！」

「おい健またかよ」


ごまかしたつもりが
健君にばれてしまった。



図星だった…。
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