隣の席のキミが好き
「あたし、全然華がないの」




「……華?」




「青葉くんはいるだけで、周りが幸せになるようなオーラを放ってるよね。あたしは全然」




「そんな、俺…いや、そうだな。オーラつくってるし」




つくってる?




青葉くんがニッコリと笑う。




「そ。小さい頃から、周りにすげーかわいいかわいいって言われまくってさ。調子にノって、いつも目立つように努力してきた」




「そっ……そうなんだ」




イケメンは小さい頃からそうなんだね!




羨ましいよっ。




だけど、努力してきたってどういうこと?










「かわいいより、カッコいいって言われたい。ただその一心で頑張ってたら、今のモテを獲得した」




「えーっ、そうなの?」




「ハハッ。モテ過ぎて困ったときもあって、けど目立つのやめらんねーからみんなに優しくし始めたら…引き返せなくなった」




「そんな過去があったんだ…」




「俺…やっぱ、チャラいかな……」




青葉くんが、チラッとあたしを見る。




その眼差しに、ドキッとした。



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