隣の席のキミが好き
これって、デートの約束だよな。



そういえば鈴木の頭のてっぺんには、ちょこんと桜の花びらが乗っている。




おい、彼氏。




とってやれよ。




ほのぼのとした雰囲気で会話していて、そのきっかけがないのはわかるけど。




「じゃ、俺先に行くから」




「うん、またね」




男はそのまま教室の方へと駆けていった。




あいつ、気にならないのか!?




俺なら絶対取ってるけどな!!













「鈴木、おはよ」




男がいなくなったところで、俺は鈴木の前に姿を現した。




「わっ、いつからそこにいたの!?」




驚きを隠せない様子の鈴木。




彼氏との会話を聞かれたと思ってるよな?




「今、来たところ。今日もかわ……」




しまった。




いつもの調子で、今日もかわいいねって言いそうになった。




鈴木には、やめておくか。




彼氏がいるし、変に誤解されてもな…。




「え、かわ?」




鈴木が真顔で返してくる。




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