隣の席のキミが好き
「きょっ…きょーは、いい天気だな」




俺、アホか。




なに言ってんだよ。




「うんっ。ホントいい天気だよね~。暖かいし、桜も咲いて、春って感じ~」




そーいや志摩が、鈴木のこと頭ん中お花畑っつってたよな。




っていうより、ただ素直なだけじゃねーの?




かわいい部類だと思ってはいたけど、こうやってよく見てみると、




鈴木って…




いいよな。









「そうだ、青葉くん…こんなとこ見られたら大変だよ!」




ハッと我に返る。




俺、今なに考えてた?




「大変って?」




「相沢さんが来たら、誤解しちゃう」




「おおっ、そうだ。昨日志摩が何言ったか知らねーけど、俺には全然その気がねーから」




「……え?」




「好きだからイジメるとか、小学生じゃねーし……好きなら、俺はその子を大切にするつもり……」




カアアァッ。




俺、なに照れてんだよ。




まさか鈴木にこんな醜態を晒すことになるとは思わず、




慌てて、クルリと反対側を向いた。




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