隣の席のキミが好き
キーンコーンカーンコーン。


チャイムが鳴るのを聞きながら、青葉くんを待つ。



タタタッ。



軽快に駆ける足音がした後、青葉くんが目の前に現れた。



「れっ…鈴木?戻ってなかった!?」



「待ってたの。あたしのせいで、授業に遅れちゃうし」



「なんでだよー、先に行けばいーのに。買いに行った意味ない」



あー!そうだよね。



せっかく気をきかせてくれたのに、これじゃふたりとも怒られる。



最初から、あたしが行けばよかったんだ。








「青葉くん、ごめんね…あたし…」


「いや…ちょーどいーか」


「えっ?」


「ん、と。鈴木、このままサボらね?」


サボ?



え、ボサボサって言ったの?



そういえば、桜の花びらとってくれたときも、



後で鏡みたら風で髪がボサボサだったし。



慌てて髪を手ぐしでとかす。




「あー、いや。嫌ならいーんだけど」



「嫌って?」



違う、きっと聞き間違い。



「サボらね…あ、サボるってこと!」



青葉くん、あたしやっと意味がわかったよ!!



「…へっ?」




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