霧煙る山
六日目
六日目。
昨日の晴れる兆しが嘘のように、霧が濃い。
朝起きても、終始無言。
熊を刺激しないよう、誰も物を食べない。
しかし今朝からは周囲は静か。
臭いも薄らいだように思う。
数時間後、千草が外に出ると言い出す。
みな反対するが「様子を見るだけ、熊も今なら近くには居ない」と言って、千草は許可を求める。
すぐに帰ってくるのを条件に、僕はそれを許した。
千草が霧の中へ入っていった後、蛮は僕を非難したが、そのうちに黙る。
しばらくして足音。
千草の帰りを期待した僕達はテントを開けようとしたがすぐに手を止めた。
獣の臭いがする。
大介がか細い声で「千草は?」と言った。
獣の鼻息が昨日に増して荒い。
すぐに追突が始まる。
僕達は声にならない悲鳴を上げて身を寄せる。
しばらく周囲を巡った後、熊は腰を落ち着かせたか、足音は消えるも臭いは相変わらず強い。
その日一日、熊の臭いが途切れる事は無く、僕達は動かなかった。
千草は帰ってこない。
襲われたんだろうか。
昨日の晴れる兆しが嘘のように、霧が濃い。
朝起きても、終始無言。
熊を刺激しないよう、誰も物を食べない。
しかし今朝からは周囲は静か。
臭いも薄らいだように思う。
数時間後、千草が外に出ると言い出す。
みな反対するが「様子を見るだけ、熊も今なら近くには居ない」と言って、千草は許可を求める。
すぐに帰ってくるのを条件に、僕はそれを許した。
千草が霧の中へ入っていった後、蛮は僕を非難したが、そのうちに黙る。
しばらくして足音。
千草の帰りを期待した僕達はテントを開けようとしたがすぐに手を止めた。
獣の臭いがする。
大介がか細い声で「千草は?」と言った。
獣の鼻息が昨日に増して荒い。
すぐに追突が始まる。
僕達は声にならない悲鳴を上げて身を寄せる。
しばらく周囲を巡った後、熊は腰を落ち着かせたか、足音は消えるも臭いは相変わらず強い。
その日一日、熊の臭いが途切れる事は無く、僕達は動かなかった。
千草は帰ってこない。
襲われたんだろうか。