涙々~RUIRUI~

手々


キーンコーンカーンコーン…
「お~い、蕾!起きて起きてっ、お昼だよ~?」
「んっ…、え…?」
伏せていた顔を上げると、こちらに手を振っているミヤが居た。
あぁ…、居眠りしちゃったんだ。
鹿谷野 蕾。高校1年。
趣味はファッション雑誌を読むこと。好きなことは音楽を聴くこと。
何処にでも居そうな普通の女子高生です。
あることを覗けば…。

「お昼だって!おーひーるー!」
「ぁ…、うん。わかったわかった」
何度も言われて、耳がキンキンする。
鞄を漁って、目当ての物を取り出してミヤを退かして教室を出た。
3組のクラスに顔を出して、アイツを見つけ呼ぶ。
「リョーヤー…」
呼ばれた奴は、わたしを見るなり一瞬顔を輝かせて目付きを悪くした。
「はい、弁当…」
「ありがと」
鞄から出した手作り弁当を渡して、その場から去った。

恋人でもない、幼馴染みに毎日「手作り弁当」を渡す女子高生です。
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