涙々~RUIRUI~
だけど翌日、涼哉は学校に来なかった。校門を潜るまでは一緒に居たはず。わたしがミヤと合流した瞬間、涼哉を見失ってしまったんだ。
そしてクラスは騒ぎ出す。『逆援だ』と…。違うとわたしは言うのに信じては貰えなかった。
以前、涼哉と付き合っていた同じクラスの子も否定しない。ショックで何も言えないのかもしれないけれいど、何も知らないという顔だった。

土曜日。カラっと晴れた今日は、予定通りお母さんと弟妹は出掛けていった。
わたしはお母さんに頼まれて、家の掃除だとか洗濯だとか…。休日なのに忙しい。
なのに…
「涼哉、手伝ってって…」
涼哉は部屋で音楽を聴いていた。
昨日も休んだ涼哉。
『逆援』の噂は濃くなる一方で、あれから涼哉とも会話が少なくなった。
やっぱり逆援…してるのかな……。
「涼哉…」
「………」
不安な気持ちのまま涼哉の部屋を掃除する。横にはベッドに寝転がりファッション雑誌を読む涼哉。掃除機の音で部屋を満たしていた音楽は消されていた。
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