涙々~RUIRUI~
そして不安でイライラし始めたのか、わたしは乱暴に掃除機をタンスに当ててしまった。
タンスに積まれていた本がバサバサ落ちていく。
やっちゃった…。
「はぁ…」
掃除機を止めて本を拾い集める。年相応の少しエッチな本。持ち主は平然と雑誌を読む。
「ちゃんと片付けて……、…?」
エッチな本と混ざって、真面目な分厚い本を拾ったら中から封筒が落ちた。新品風の茶封筒…。
まさか…。
本をタンスの上に戻して、落ちた茶封筒を拾い開ける。
そこには……。
「ぇ……、りょ…や…?」
「なに…っ、ちょっ、バカッ!!」
私の手から茶封筒が消える。涼哉の手に移った茶封筒は強く握られていた。
「それ…っ」
「………」
茶封筒の中には………
「っ…!」
涼哉は茶封筒を床に捨てて、わたしをベッドに敷いた。物凄い早さで…。
「涼哉…?」
嫌な汗が首を伝う。しんとした部屋で、涼哉にずっと睨まれている。冷たい冷たい目で。
次に涼哉はわたしに無理矢理キスをした……、…気がする。あまり覚えていない。逃げるのに必死だったから。
ただ、覚えているのは涼哉が捨てた茶封筒から……

1万札、5枚が出ていたことだけ…。
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