涙々~RUIRUI~

心々


翌日、涼哉は松葉杖をつきながら帰ってきた。
もちろん弟妹は心配して、お母さんもなるべく涼哉に負担をかけまいとしていた。
逆に涼哉は、そんなことを一切気にせずいつも通りに飄々と振る舞う。まるで何事も無かったように…。

それから、わたしも学校に行けるようになりミヤとアキナと楽しく過ごして…
「………」
「蕾ぃ?」
過ごしてなんか居なかった。
涼哉の話を聞いて笑えなくなったのだ。…笑っちゃいけない気がする。
二人には申し訳ないけれど…、許して…。
「お昼だよ?食べよーよ」
「うん」
「ツっちゃん、どうしたのさ?大丈夫かぁ?」
わたしの机を囲んで座る二人。言いながら弁当を開ける二人。
「何でもないよ。気にしないで」
そう言って、簡単に済ませた。
わたしも早々に弁当を開いて食べ始める。
再び学校に来始めてから、涼哉に弁当を渡さなくなった。
涼哉がわたしを好きだと知って安易に弁当を作れなくなったんだ。涼哉には謝ってパンを自分で買って食べてもらっている。
本当に申し訳ない…。
わたしは自分勝手な人間だと思う…。
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