涙々~RUIRUI~
ベッドに隣同士に座り、学校のこと、兄弟のこと、将来の夢など話した。
「チハヤは母さんに凄く似てて、ヤマトは父さん似。俺は…」
「お母さん?」
「いや、どちらでもないんだ。父さんの方のばあちゃん似」
「ふふっ、そっか」
複雑だ。両親に似てなくて、祖父母に似ているなんて。だけど、面白いと思った。
わたしはどっちに似てたんだろう。ふとそう思った。
どっちでも良い。一番良いのは、どっちにも似てないこと。わたしを捨てた人に似るなんて…、死んでも嫌だ。
「あ…のさ」
「なに?」
「その…。抱いていいかな」
急だった。今の今まで笑っていたのに、急に挙動不審になったかと思いきやエッチの話。
ここでヤらないと、彼女として失格かな。そんなことを思って彼の目をまっすぐに見つめる。
大丈夫かな…。あの日が蘇るかも。でも…
「いいよ」
涼哉からの傷を消してほしいんだ。
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