絶対的愛情
「え、34歳?見えない見えない!まだ20代かと思った」
「それはどうも」
残念ながら、僕は全く彼女に興味を示さない。
唯一あると言えば、先程思った通り彼女の脳の中だ。
僕は研究にしか能がない。
彼女は27歳だと言ったが、僕とこんな場所にいるよりも合コンに行った方が時間を有意義に使えるんじゃないかと思う。
確かに、彼女の遺伝子の配列は僕と遠いからこそ一目で恋に落ちたのだとは思うけれど。
僕は恋をしているよりも、得体の知れない解明に全力を注ぐ方が好きなのだ。
「お弁当、作ってきたから食べよう」
「え…」
そして、僕はさっと顔が青くなるのを静かに感じた。
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