絶対的愛情
「ありますよ」
確か、最後に恋人がいたのは…
「大学院の頃の話ですが…」
「松井 俊介を落とした女はどんな人?付き合ったのは自分から?どのくらい続いたの?」
質問が多すぎて、ため息をつきたくなるのをグッと堪えた。
「交際を申し込んだのは、僕からです。お付き合いしたのは、3、4年ですかね。とても笑顔の可愛らしい女性でした」
「なんで別れたの?」
それも聞きますか。
相変わらず一人でサンドウィッチを食べながら、彼女はペットボトルの水をごくごく飲んで。
なかなかの大食いだと、感心してしまう。
「彼女は海外の研究所へ行くと…。僕にはどうしてもこの研究所でやりたい課題があったので、一緒には行けなかったんです」
嫌いになって、別れたわけではない。
けれど、何かを犠牲にしてまで女性に費やす事が出来ない。
自分には、自分の研究がある。
そこまで誰かを深く愛した事がないのかもしれない。
研究以上に、大切だと思える人などいない。
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