絶対的愛情
「こちら、新商品のカタログです。ご発注のほど、よろしくお願い致します」
「ありがとう。あ、知ってる?この商品」
得意先の新崎さんに、深く頭を下げた私は差し出された一枚の紙を受けとる。
「新革命、ぷるぷるお肌…」
「その商品、来月発売なんだけどさ…海外ではすごい反響らしいんだ」
新崎さんはサンプルを取り出して私に見せてくれた。一見、普通の美容液に見える。
「肌が若返るって効能効果もしっかり得られることから、アンチエイジング治療の医薬品に分類された国内初の美容液らしいんだけどさ。
ニュースや雑誌でも注目されてて、そのうち一般公開されるだろうね。FDA(米国食品医薬品局)に認可されているものだし」
「それって…うちの会社がヤバイって事ですよね」
3月の新商品ラッシュで、この商品以上に勝るものがわが社にはないと思う。
「うちの店も推奨品として大々的に展開するつもりだけど、まあ…瀬戸さんとは長い付き合いだから、頑張るよ」
「新崎さん~!!ありがとうございます」
新崎さんは深く笑って、事務所へと入っていった。
早速、会社へ戻ったら調べてみよう。
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