絶対的愛情
「毎日ですね」
呆れたような声で、彼は笑う。
だって、毎日声が聞きたい。
毎日、会いたい。
「しょうがないじゃない、好きなんだから」
少しでも、知りたい。知ってほしい。
私の事を、日常のどこかで思い出してほしい。
「懲りないですね。なかなかの物好きですよ」
「そんなの、百も承知。次は…いつ空いてる?」
強気なふりしているけれど、本当はすごく怖い。ダイレクトに、バレンタインデーが空いているか聞けない。
「そうですね…論文発表に向けて少し忙しくなりますから…」
核心的な答えをいつも求めているのに。
掴めない煙のように、見えたと思ったらぱっと消えてしまうんだ。
「じゃあ…暫くは会えない…?」
「…研究次第ですね」
「胸が…苦しい」
鈍い痛みが、じわんと広がる。
.