絶対的愛情
諦めないで、絶対に振り向いてもらえるように頑張るって決心したのに。
いとも簡単に崩壊してしまう。
結局、自分に自信がない。
誇れるものが、何一つ見つからない。
年を重ねていく毎に、弱くなっていく。
学生時代のように、勢いや気持ちだけで突っ走れたら楽なのに。
会いたい…。
でももう、きっと…。
会えない。
そう思ったら、私は彼に電話をかけていた。
23時過ぎ、今日初めての電話。そして、最後の電話。
「…はい」
やっぱり、五回目のコールで彼は出た。
その瞬間、鼻の奥がツンと痛くなる。
「俊介…」
「瀬戸さん?…泣いてます?」
苦しい。この前の苦しさなんて、比にならないほど。
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