絶対的愛情



「え、別れたその日に好きな人が出来たぁ?」


同僚のみなみが、箸で掴んだハンバーグをぽろっと落とした。


「そうなの!もう本当に天使!一目惚れ!」


ただの社員食堂のハンバーグが、ものすごく絶品だと感じてしまう。


「ねぇ、大丈夫?だから27歳にもなって結婚できないんじゃないの?」


「う、うるさいなぁ。あたし、あの人に運命感じてるんだから」


みなみの左手には婚約指輪が光っている。

私だって、近々結婚すると思っていましたよ。

まさか振られるなんて思ってなかった。



でもそんなこと、どうでもいいの。


好きになっちゃったんだ。元彼の事なんて、きれいさっぱり忘れてしまった。



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